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かかりつけの歯医者さんで定期健診と保健指導を受けれます

DAY15 「今の自分」と「なりたい自分」

 

「一緒にいるが構築されたら、行動変容への次のステップは「今の自分」と「なりたい自分」に気づいてもらうことです。

 

まず、「今の(嫌な)自分」と向き合う機会を与えます。当院では事前に問診表に愁訴項目を作り、どのような「今の(嫌な)自分」があるか確認してもらいます。
衛生士はヘルスコーチングの場面で「一緒にいる」を前提にクライアントの「今の自分」をきづかせます。

 

問診表の愁訴項目

 

・慢性疲労
・イライラ
・肩こり
・腰痛
・頭痛
・冷え

・意欲低下
・目の疲れ
・便秘
・肌荒れ
・不眠


 

例えば、問診表の愁訴項目に慢性疲労に〇してあれば、「ところで、○○さん、最近つかれやすいのですか」と切り出すと、「一緒にいる」を構築されていれば、「そうなんです。
夜眠りが浅くて、仕事中も休日も疲れが抜けません」など、その愁訴項目に対するより詳細な情報を教えてくれます。
また、それと同時に「疲れにくくなりたい」という「なりたい自分」に気づくはずです。

 

「今の自分」を気づかせる方法は問診表以外にも以下のようなものがあります。
問診表の愁訴項目は自覚している「今の自分」ですが、以下のものでは自覚していないが、スクリーニングや簡単なテストで潜在的な「今の自分」を気づかせる機会になります。

 

 

現在の自分の再確認法

 

  • 口腔内写真
  • 全身写真
  • インボディ
  • グルコセンサー
  • 開眼片足たち
  • パワーテスト
  • ふくらはぎテスト(指輪っかテスト)

 

 

※再確認法の各項目はリンクを貼って、詳細に解説予定

 

「今の自分」と「なりたい自分」には1つポイントがあります。それは「今の(嫌な)自分」という結果は自分に理由があると考えている人と、他者や外部環境に理由があると考える人がいるということです。
慢性疲労が親の介護や残業が多い職場環境などが原因と考えている人に行動変容を起こすのは難しくなります。
この時は再度、「一緒にいる」のさらなる強化に努めます。他者や外部環境に理由があると考えている人に急いで、行動変容を促す必要はありません。

 

 

「今の自分」と「なりたい自分」
問診表で自覚している自分の嫌なところ
今の自分となりたい自分

 

他者や外部環境に理由があると考える人に自分に原因があると思わせるのは状況によっては非常に難しいこともあります。
>ただ、どんな愁訴項目も遺伝的素因や外部環境など、変えれないものありますが、ほぼすべての「今の(嫌な)自分」は自分の生活習慣で改善できます。
理由を他者や外部に向けている人に自分に理由があると思わせるコツが一つあります。
それは共同体感覚を植え付けることです。

 

共同体感覚とは、複数の人との所属意識です。
人は共同体感覚を持つことで、自己実現欲求が高まり、他力本願的な思考から、自主、自発的な思考に切り替わります。

 

メジャーリーグで3000本安打を達成した直後の会見でイチロー選手は「達成した瞬間、あんなにチームメイトが喜んでくれて…」と仲間に感謝し、「僕が何かすることによって、僕以外の人が喜んでくれることが、今の僕にとって何より大切なことだと再確認した」と語っています。

 

彼は自分のためだけに、日々厳しいトレーニングを積んで、自己実現欲求のモチベーションを維持できないのです。
共同体感覚の中で、利他的なモチベーションがあるので、頑張れるのです。
そして、偉業を成し遂げたときに、みんなが喜んでくれるので、感謝でき、さらに前に進めるのです。イチロー選手が「再確認した」と結んでいますが、裏返すと、「いつもそう思っている」ということです。

 

このような特別なシチュエーションだけでなく、我々も身の回りのありふれた日常生活の何気ないところで、こういうことを感じることができます。

 

 

 

 

以下に、「今の自分」の原因が外部環境にあると考えている患者A(クライアント)に、衛生士(コーチ)が「一緒にいる」を構築しながら、共同体感覚を気付かせる会話文をお示しします。

 

自分の腰痛は親の介護だと主張するAさんに対しての会話

 

 

 

Aさん

 

A「最近、父親が脳梗塞で倒れて、退院後自宅療養で落ち着いてますが、家族で分担して介護してますが、私も介護しなくいけなくなって、それから持病の腰痛が悪化してます。」
(Aさんは腰痛(今の自分)を親のせいとおもっている)

 

 

 

コーチ

 

コーチ「そうなんですね。それは大変ですね。」「日常生活にも支障でてるのではないですか。」
(「一緒にいる」状態を作るようにこころがける。腰痛を親のせいと思っていることを否定しない。そのまま受けいれる。さらに「一緒にいる」状態を強化するために共感する。)

 

 

Aさん

 

A「そうなんです。近所に買い物行くのも大変で・・・」
(Aさんは自分のことを分かっていると感じている。)

 

 

 

コーチ

 

コーチ「お父様の介護も大変ですが、Aさんの腰のことは気になさってるでしょうね。」
(共同体感覚を気づかせる切っ掛けを作る。)

 

Aさん

 

A「そうですね。私も父の前ではあまり痛い素振りはしないようにしていますが、気づいているようです。」
(共同体感覚に気づく。)

 

 

 

コーチ

 

コーチ「腰は普段の姿勢に気を付けるだけでも、少し楽になりますよ。私が実践してよかったのは、・・・・で、今では多少無理な態勢でも痛まなくなりました。私たちの仕事も腰痛は一種の職業病で、姿勢は気を付けるようにしています。」
(「一緒にいる」状態が前提で、提案する。自分の経験は一つの説得力の材料か。)

 

 

 

Aさん

 

A「そうなんですね。一度試してみます。」
(外部環境に原因があるという思考から、自主、自発的思考への切り替えを促す)

 

 

 

 

「今の自分」と「なりたい自分」
現在の自分となりたい自分

 

例文ではコーチは、Aさんに介護が必要なお父さんと共同体感覚を持てるように努めましたが、クライアントに共同体感覚を得る人がほかに見当たらなかったら、コーチ自身が共同体感覚の一人になるのも有効な一手になります。

 

「一緒にいる」を構築された前提で、「○○さんがコーラの量を減らしてくれたら嬉しいです!」という一言で、クライアントの頑張りは信頼のおけるコーチの喜びにもつながり、より頑張れます。

 

 

 

 

 

 


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