「特定保健指導を歯科医院でしやすくするために」 「第8回POPS特別例会について」
皆さん、こんにちは。
猛暑日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、本日は以下の2題です。
- 特定保健指導を歯科医院でしやすくするために
- 第8回POPS特別例会について
1.特定保健指導を歯科医院でしやすくするために
特定保健指導とは、特定健康診査(特定健診)の結果、メタボリックシンドロームのリスクが高いと判定された40歳から74歳までの人を対象に、生活習慣病の予防・改善を目的として行われる保健指導のことです。特定健診は歯科医院では受けることはできませんが、健診後、メタボリスクの高い対象者に対する特定保健指導は、管理栄養士が在籍する歯科医院では受けることができます。通常、保険者(各種保険組合など)と医療機関が所属する団体(医師会、歯科医師会、関連学会など)が「集合契約」を結び、保険者に属する各被保険者が、各所属団体に属する医療機関で、特定健診や特定保健指導を受けることができる仕組みになっています。
しかしながら、歯科の団体契約の窓口になるべき歯科医師会は、公益団体なので、保健指導を実施している歯科医院は限定的であることから、集合契約に積極的でなく、現状埼玉県の歯科医師会のみ集合契約を行っているのみです。もし、それ以外の都道府県の歯科医院が特定保健指導を行えるようにするには、各保険者と集合契約を結んでいる日本人間ドック学会などに所属し、特定保健指導実施可能な医療機関になるしかありません。しかしながら、仮に学会に所属して、実施可能な医療機関になっても、無数にある医療機関の中から、歯科医院で特定保健指導を受ける被保険者は非常に限られます。
したがって、現状では歯科医院で特定保健指導を行うことは非常に難しいということになります。そこで、当院で特定保健指導に準じた保健指導を展開して、その有効性を検証しようと考えています。まだ、実施中で詳細は省きますが、なるべく特定保健指導に準じた形で歯科医院でもメタボ予防の効果が実証できれば、その後の展開として、協力いただけるPOPSの会員の歯科医院でも、同様な内容で、保健指導を実施して、集団研究としてエビデンスを確立して、歯科医院での保健指導の有効性をより高めていきたいと考えています。結果として、その有効性が、中長期的に、歯科医院で、特定保健指導実施のための障壁が低くなる政策に反映されることを期待しています。当院の検証に関する進捗は、このメルマガでも報告させてただきます。
2.第8回POPS特別例会開催決定!
次回の特別例会は、第1回POPS特別例会でお話頂いた、西川岳儀先生に「口腔機能発達不全症」についてご講演頂くことになりました。西川先生は、「赤ちゃん歯科」で大変ご高名で、多方面でご活躍です。
記念すべき第1回目のご講演はその「赤ちゃん歯科」についてのお話で、大変盛況でしたが、それから7年が経ち、西川先生の内容もさらにアップデートされたので、今回、再度西川先生にお願いすることになりました。
最近では、乳幼児期の口腔の発達は、姿勢や体幹などの発達が口腔機能を左右することが分かってきました。乳幼児期の口腔の発達は、延いては、高齢期の口腔機能低下にもつながってきます。したがって、口腔機能は生まれてから老いるまで、すべてのライフステージで必要な機能で、それをライフステージの初期の段階で、口腔内だけでなく、姿勢や体幹からどのようにアプローチするか、という大変興味深い内容となります。
西川先生の「口腔機能発達不全症」は舌や歯列などの一面的な捉え方ではなく、姿勢、体幹など全身を包括的に診た中で、口腔を診るスタンスです。歯科医師、歯科衛生はもちろん、歯科助手、栄養士、保育士、そしてお子さんの発達に興味があるすべの方に有益な内容です。是非、そのような関係者の方々にもお声がけいて頂き、ご一緒に参加してください。
第8回POPS特別例会
日時 2026年1月25日(日)10:00-16:00
場所 タカラベルモント TB‐SQUAREosaka
〒542-0082大阪府大阪市中央区島之内2丁目13-22
講師 西川岳儀先生
(チラシ添付) ※申し込みフォームは後日アップします
では、今後とも「みんなの元気を支える歯科」を考える会、POPS研究会を宜しくお願いします。
呉 沢哲