肩こり

今回の健康ブログは「肩こり」についてです。

 

みなさん肩こりはありますか?

厚生労働省による平成25年の国民生活基礎調査によれば、肩こりは男性が訴える症状の第2位、女性に訴える症状の第1位であり、この傾向は年齢が高くなるほど強くなっています。

肩こりの疫学とQOLへの影響を調べた研究論文がありますが、注目したのは「肩こりがあると、自覚的な労働の大変さが誘発される」という事実です。

つまり、肩こりがあると、日々の仕事や家事がつらく感じるという事です。肩こりのある人生とない人生で、日々の労働が楽にも苦にも感じるのです。毎日ですよ!これは人生の幸福度にも大きく差が出るはずです。そこで肩こりについて少し深く考えてみます。

 

肩こりの原因は酸欠!

首や上腕の過用や長時間の同一姿勢による筋収縮のために血管が圧縮され阻血が生じ、酸欠状態になった筋肉はATPと呼ばれるエネルギーが不足します。

ATPは筋肉を緩める働きがありますが、酸欠でATPが不足すると、無意識でも収縮が続くことになります。

因みにこのATPは細胞内のミトコンドリアという細胞小器官で作られますが、あらゆる組織の中で、骨格筋に一番多く存在していて、たった一つの筋細胞に何と数千ものミトコンドリアが存在しています。

つまり、骨格筋に血液を流せば流すほど、酸素で満たされ、ミトコンドリアがATP(エネルギー)をたくさん作り、筋肉の収縮や弛緩がスムーズになり、肩こり予防に繋がります。

 

肩こりから卒業するには意識が大事!

「幸せになってやる!」という意識が大事です。冒頭でも述べたように、日々の労働が肩こり一つで、苦にも楽にもなりえます。しかし、「肩こりは友達。長く付き合くしかない」と諦めていると、日ごろの仕事や家事のつらさからも一生卒業できません。「肩こり知らずで快適生活や幸せをゲットしてやる!」という意識を持ちましょう。

では何を意識するかですが、簡単なことです。

 

 

肩こり対策

 

★姿勢を正す

具体的には骨盤を立てます。骨盤を意識することで、背骨もきれいなS字を保つことができ、頭位も体の重心に収まるので、首や肩に無理な力がかかりません。

血のめぐりもよくなるので、筋肉にたくさん酸素が送られて、ATPというエネルギーがたくさん作られて、筋肉の収縮や弛緩もスムーズになり、肩こりの予防になります。背伸びをするとさらにたくさん血液が骨格筋に送られ、効果絶大です。

 

 

★自律神経(交感神経と副交感神経)を整える

交感神経を使いすぎると血管が収縮して、酸欠が進みます。自律神経を整える方法も簡単です。

①口を閉じる(鼻呼吸を促す)

②よく噛む(箸置き)

③早寝早起き(太陽の光を浴びる)

※睡眠時間が短いことが重度肩こりの危険因子であることも示唆されています

 

どうですか、座骨を立てて、背筋を伸ばして、そして自律神経を整えて、肩こり知らずの生活を送ってみませんか。

次回は肩こりと噛み合わせの関係についてです。

参考文献 厚生労働省:平成25年度国民生活基礎調査

「肩こりの疫学とQOLの影響」整・災外58851-858 2015 大谷 晃司 矢吹 省司

「肩こりと自律神経の関係」整・災外58883-858 2015 城 由起子 松原 貴子