コロナ特別編 鼻のチカラ

新型コロナウイルス(COVID-19)が、世界中で猛威を振るっています。ウイルスは目に見えず、空気中に舞っているので、

手洗いやうがいなどの対策を徹底しても、体内に入ることは十分に考えられます。

今回の健康ブログは、「歯科からできるコロナ対策」として、仮に体内に入っても、口のチカラを高めて、

「コロナに感染しにくい身体」にすることに焦点を当てます。今回は口と繋がっている「鼻のチカラ」です。

 

 

鼻呼吸は天然のマスク

 

ヒトは1日に約1万リットル(500ミリリットル入りのペットボトル2万本)分の空気を吸い、同じ量を吐き出します。

この動作を鼻でするか、口でするか。同じようですが、その意味は全く違います。

鼻呼吸には、ウイルスにとってさまざまな関門が伴うからです。

 

第1の関門は鼻毛

まずここで、ウイルスを含む。やや大きめのほこりなどがブロックされます。

 

第2の関門は、鼻の中の粘膜から出る粘液です。

ウイルスがこのネバネバにからめ捕られると、鼻から喉の奥にかけて生えた無数の線毛がベルトコンベヤーのように動き、

痰(たん)などで体外に排出されたり、胃に運ばれて胃酸で無害化されたりします。

 

第3の関門は、どんなに乾いた冷たい空気を吸い込んでも、鼻の中に縦横無尽に張り巡らされた毛細血管

これにより、喉の奥では体温近くまで温度が上昇し、湿度も80~85%に。

このため、乾燥に強く湿気に弱いウイルスの生存率が低下します。

 

副鼻腔(ふくびくう)で作り出され、殺菌作用などがある一酸化窒素(NO)の働きも、鼻呼吸すればこその効果です。

口呼吸では、そうした鼻が持つ防御機能は発揮されません。ウイルスの数も減らず、乾燥した冷たい空気が直接のどの奥へ取り込まれると、線毛の動きが弱まって排出 機能は下がり、ウイルスの侵入は容易になります。

 

 

「あいうべ体操」で自然と鼻呼吸に

 

とはいえ、鼻呼吸が苦手な人もいます。

マスクを着けた息苦しさで、マスクの下で口を空けている人も少なくありません。

そこで「あー」「いー」「うー」「べー」と、大きく口と舌を動かす「あいうべ体操」。

1日30セット(10回ずつ分割しても可)やれば、舌の筋肉が鍛えられて舌先が上顎に付き、自然と鼻で呼吸できるようになります。体操の刺激によって出る唾液で口の中は潤い、舌や口輪筋などの筋肉を動かすことで、口周りやのどの体温も上がります。

 

*ガムかみ*

「唾液のチカラ」編でも申し上げたように、ガムをかむと、咀嚼と嚥下を絶えず行うことになり、口唇閉鎖(口を閉じること)がしやすくなり、鼻呼吸になります。外出時にガムを噛みながら、マスクをしたら、さらなる感染防止対策になります。

 

*鼻づまりに即効性のあるツボ*

花粉症や、慢性鼻炎などで、鼻呼吸が難しい人もいらっしゃいます。そんな人のために鼻づまりに即効性のあるツボをご紹介します。

 

まず、鼻づまりに即効性があるツボとして、印堂(いんどう)と迎(げい)香(こう)があります。印堂(いんどう)とは眉と眉の間にあるツボです。鼻の通るまでしばらく少し強めにじわじわと押してあげましょう。迎(げい)香(こう)は鼻翼の両脇にあり、ぐーっと強めに10秒くらいを1セットにして、鼻の通りがよくなるまで押してあげるといいでしょう。

 

 

まず空気や食の取り入れ口を良好な状態に保つことが、健康づくりの大前提です。

 

鼻呼吸こそ天然のマスク!

 

を病の入り口にしないよう、誰でもいつでもできる予防法で免疫力を保ちましょう。

 

 

 

●参考文献

 

西日本新聞 「鼻呼吸こそ天然のマスク」専門家に聞く口腔ケア

聞き手 佐藤弘さん

話し手 岡山大学病院スペシャルニーズ歯科センター診療講師  岡崎好秀先生

ウェザーニュース 「鼻づまりに効果てきめん! ツボ5選」

 

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