歩行の効果②

 

 

 

 

 

 

こんにちは!

今回は前回の続きで「歩行の効果」についてです

 

①2足歩行によってサルの骨格形状に変化

 

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これは、猿まわしの訓練を受けたニホンザルの全身骨格です。

猿まわしのサルは、芸を覚えさせる前に、2足歩行の訓練から始めます。

2足歩行ができるようになると、凶暴性が消えて表情も穏やかになり、従順になって芸を覚えやすくなるそうです。

サルの脳に変化が現れたとみられます。

また、骨格形状を見ると、下肢の形は違いますが、背骨の形は人間とほとんど同じになっています。

野生のサルには見られない正常姿勢、ヒトに見られるS字カーブが形成されているのがわかります。

1種1代でここまで骨格形状が変わるのです。

普段のなにげない姿勢や歩行の習慣がいかに大事かわかりますね。

 

 

②骨格筋のポンプ機能

歩くときに重要な筋肉に腓腹筋というのがあります。いわゆるふくらはぎの筋肉です。

この腓腹筋の形を見ると、細長いハート形をしています。心臓と同じです。

 

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下が尖っていて、上が広がっています。これを形状特性ポンプといいまして、形自体がポンプの機能を持っています

底の尖ったコップに水を注ぐと、上のほうにシュッと跳ね上がってきます。

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これが形状特性ポンプです。

人間の体にある骨格筋は、ほとんどが形状特性ポンプです。

歩行などの動作で筋肉が収縮することによって、血液を心臓のほうへどんどん送り揚げているわけです。

この仕組みによって、血液循環がスムーズに行われているのです。

これが、ふくらはぎが「第二の心臓」といわれるゆえんです。

 

 

③骨の形成と造血の仕組み

足が地面について骨に圧がかかったとき、骨から電子が飛び出してマイナスの電荷になります。体内のカルシウムのプラスイオンが引き寄せられ骨にくっつき、圧がかからないときは離れるが繰り返されカルシウムが蓄積し骨が形成されていきます。これを骨ピエゾ効果といいます。

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また、骨髄が入っている容積は、圧がかかると狭まり、圧がかからないと広がります。

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骨髄の中には造血幹細胞があり、ここで血液(赤血球や白血球)が造られます。

赤血球は圧力が低くなるときに造られ、圧力が高くなるとできません。

白血球にはウイルスのような極めて小さい微生物をやっつけるリンパ球、バクテリアを食べてしまう顆粒球、リンパ球に指令を送る単球(マクロファージ)があります。

顆粒球と単球は圧力が高くなると造られ、リンパ球は圧力が低くなると造られます。

つまり、歩いているときには顆粒球と単球が造られ、寝ているときに赤血球とリンパ球が造られる。

白血球に占める割合は、顆粒球と単球が3分の2でリンパ球が3分の1ですから、活動時間と睡眠時間の比率に一致しています。

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歩くことは、コツコツ少しずつ貯金をしているのと同じです。命の貯金です。

普段から歩いている人とそうでない人は、歳をとってから大きな差が出てきます。

歩いている人は本当に元気です。みなさん普段から歩く習慣をつけましょう。

 

参考著書   「歩行」と「脳」~生きる力と心もよう~ 吉田勧持

 

 

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